松本駅お城口広場 完成

約一年間の工事を経て、松本駅お城口(東口)広場が完成しました。建築士会でシンポジウムをしたのが、2010年夏。その後2011年春に掛けて、景観審議会の駅前広場デザインワーキンググループの一員として、デザインのアドバイスをしました。


コンコースを降りた駅前大通りの軸線上には、かつてはタクシー乗り場がありましたが、新しい駅前広場には、草間彌生デザインの水玉模様のタウンスニーカーが待っています。舗装のパターンも、美ヶ原を望む大通りの軸線に合わせています。
それにしても、せっかく綺麗な駅前になっても、向かいのビルに乱雑な広告看板が目立つのは、どうにかしたいと思うのですが・・・今後の課題です。
コンコースを降りた左には、ウッドデッキが広がります。

ウッドデッキは、軸線に長軸をあわせた楕円形で、木曽ヒノキでつくられています。大きな木で涼しい木陰のウッドデッキになるイメージでしたが・・・鳥害(大木がムクドリやカラスが集まって酷い糞公害)に対する有効な対策がなく、しょぼしょぼの街路樹しか植えられていないのが、とても残念です。ウッドデッキの色はもう少し気を使って欲しかったけど・・・(建築工事に比べて、土木工事の人達は、色やテクスチャーにあまり気を使わないみたいです。折角だから、ちゃんと相談してくれ!)


コンコースの右には、タクシー乗降・乗用車滞留のエリアが続き、シャープなアルミの庇が雨や日差しを遮ります。駅前広場の中で、特に存在感を示すシェルターのディテールは、何枚もスケッチを描いてアドバイスしました。ダブルポストのスリムな柱にして、柱と柱のスリットに合わせるようにアルミ庇にもガラスのスリットを入れています。柱に樋を隠したり、梁は特注のH型鋼でデザインするなど、シンプルでシャープなデザインを心がけました。柱の色が少し黒過ぎるのが気になりますが(これも、ちゃんと相談してくれ!)・・・綺麗に出来上がりました。

新しい駅前広場が、松本市の顔のひとつとして、人々に親しまれる広場になって欲しいと思います。