衣デザイン専門学校 立体スケッチ 

先週までに完成させた1/2.5サイズのマネキンに、薄手の布で衣服を立体スケッチしました。
立体造形(衣服・建築・プロダクトetc)をデザインするときに、平面でスケッチをして、立体造形に進むプロセスがあります。余程慣れた、あるいは優れた立体感覚の持ち主は、平面スケッチをしながら出来上がる立体をイメージできます。しかし、ほとんどの人は、平面(三次元のひとつの側面)から立体の全体像をイメージすることは困難です。
私が建築を考える時も、最初のイメージづくりから模型でスケッチをして、それを図面に落とし込んで、再び模型でチェックしていくというプロセスで設計しています。

そこで、松本衣デザイン専門学校のベーシックデザイン(デザイン基礎演習)では、立体を立体としてスケッチ→平面のスケッチに置き換える→再び立体に戻って衣服や立体造形を完成させる。「立体を立体としてイメージする」というプロセスを、当たり前のデザインプロセスとして身に着けるように、カリキュラムに手を加えました。

今回の衣服立体スケッチのテーマは「巻く」…それぞれが好きな幅の布を、縫わずに、巻きつけたり、縛ったりして、マネキンの上に自由にスケッチします。
私がイメージしていたのは、縫いの技術がなかった時代のプリミティブな衣服です。しかし、学生たちは頭が柔らかく(私の意図とは少し違って)、原始時代の服ではなく、今風の服を巻いたり縛ったりの作業で立体としてスケッチしました。自由にスケッチしている中でも、縫ったり切ったりの作業を制限した中に、布本来の美しさを引き出した作品が多く、私がもっと頭を柔らかくしなければと思わせてくれました。
1年生の最初ですが…上出来!