頭隠して尻隠さず展 

第9回松本安曇野宅建築展を5月2日〜6日まで、松本市美術館で開催しています。
今年の会場構成は私です。毎年、会場構成の担当者がテーマを決めて、展示構成をするのですが、今年のテーマは「向かい合う建築」として、広い会場の中で、9人の建築家其々の作品と向かい合う会場構成としました。

1.8M×1.8Mの一坪の空間を各自のスペースとしたのですが、軽い木でフレームを作って天井から吊り、その中に其々の展示空間が展開しています。外からは、木のフレームが天井から吊られて浮いているだけですが、かがんで中に入ると外界からの視線も外界の様子も遮断され、其々の建築家の作品と向かい合う濃密な空間が現れます。イメージは雑踏の中でスマートフォンの画面に向き合い、廻りの喧騒を忘れる感覚です。

大勢の人がいる公園や電車で、其々の人がスマートフォンに向き合い一人の世界にこもる様子を見ていると、とても奇異な感じがするのですが、この展覧会でも、木のフレームに入り込んで作品と対峙している人を外から見ると、なんだか不思議な感じがします。作品をみている人が作品になる、現代芸術の視点も展覧会場に取り込んでみました。
第9回松本安曇野宅建築展・・・別名は「頭隠して尻隠さず展」です。