デザインを教える・教わる

今日は、アパレルデザイン学校の1学期最後の授業で、講評会でした。校長(デザイン専門)、アパレルデザインの先生、社会学や英語を教える教務の先生、そして私の4人で講評しました。
講評の前半は、デザイン関連の講師が、デザインやデザイン画の描写について講評していましたが、後半、教務の先生が発言しました。「学校で授業毎にアンケートを取っているのだけれど、ベーシックデザインの授業は、難しい!何でこんなことするの!解からない!のオンパレードなのだけれど、学生の皆、講評を聞いて何か解かった事は?」・・・という質問を投げかけました。
無記名回答で、学生が質問に応えたのですが、解かったような解からないようなコメントでした。

それを受けて、私が話しました。
ベーシックデザインは、お絵かきや工作を教えて、デザインを考える上での着眼点を解説しています。当然、デザインの歴史を知る事も重要な知識です。これらは、今まで小学校・中学校・高校で経験した事が無い事だと思います。だから、中学生が始めて英語に触れるのと同じ経験かもしれない。今まで20年間経験した事がない始めての事を経験しているのだから、難しいのは当たり前でしょう。しかし、これからデザインの分野に身をおくものとして、ある程度の絵が描けることは、言葉を話したり書いたりして他人と会話するのと同じ事!絵が自分の考えを表現するひとつの手段です。どんなにカッコ良いデザインを思い付いても、それを伝える絵がダサかったら、話の遡上にも乗らないでしょう!
デザインの着眼点に意識が無かったら、服のデザインを解説するのにも、「可愛い!」しか言えないでしょう。もっと豊かなイマジネーションを拡げるげる言葉を使えるようになってください!
ベーシックデザインで学んでいる事は、語学や文法を学ぶ事と同じだと思ってください!
何年か前、卒業間近の学生がベーシックデザインの講評会に参加して「今頃になって、やっと、この授業の意味が解かりました。」とコメントしてくれました。今回も同じ・・・どうして、デザインが当たり前の概念や伝達手段にならないのでしょう?
デザインの着眼点やお絵かきは、「物を考える仕事・クリエーター」の共通言語・伝達手段です!

それをデザイン学校で教えても、解からない?難しい?どうして?になってしまうのでしょう!デザイン学校でさえ、この程度の実情です。如何に、日本の基礎教育で、美術やデザインが軽く扱われているのか、少し情けなくなりました。

若しくは・・・私の教師としての、人に物事を教える能力に問題があるのか・・・。