forme

今日は、松本衣デザイン学校で、私が担当している1年生のベーシックデザインの講評会でした。学校でデザインを担当している、其々の専門が、アパレル3名・彫刻1名・建築1名の5名による講評でした。2学期は、平面演習1作品と立体演習3作品の課題でした。平面演習「名画をモチーフに自分のテーマに基づいて平面作品を再構成」はさておき・・・


立体を構成する・・・という経験は、殆どの学生にとって初めての経験でしょう。
三角錐を15個組み合わせた立体作品」・・・講評の冒頭でまず私から、「立体構成として評価すべき作品は、10作品中4作品です。他は評価の対象外。」(それって担当講師は何していたの?=講評している私本人です。)

「片面段ボール+ケント紙による立体構成(素材の特性に着目)」「片面段ボール+パターン紙による立体構成(素材の特性に着目)」・・・校長が、「ダントツでMさんの2作品。」私が、「立体構成として評価できるのは、Mさんの2作品と、Sさんの2作品と、Aさんの1作品のみ。」(これまた、担当講師の無責任な発言です。)

実は・・・授業中は、あえて学生に何も言いませんでした。今の時代が、ビジュアル・映像メディア全盛の時代ですから、「forme:フォルム(立体)」や「real:リアル(存在)」に意識を持つのは簡単では無い事は想像していました。全員の作品がNGだったら、授業の途中でアドバイスをしようと思っていましたが、きちんと立体に意識がある作品が幾つかあったので、今日の講評で、その作品と他の作品との違いを講評しようと考えていました。

5人の講師が、フォルム・量感・バランス・素材感・形のエッジ・リズム・アクセント・・・様々な視点から、学生の作品の解説しました。講師の皆さん、有難う御座いました。学生も、熱心に聞いている様子で安心しました。これから、ファッションという「forme:フォルム(立体)」や「real:リアル(存在)」に長く関わるのですから、今日の講評の善し悪しではなく、これから立体に深い意識を持って貰えればと思います。

立体作品の出来が良かった学生に「立体演習が好きなの?」と尋ねたら「楽しんで造りました。」 講師のNさんは「私は、こういうのをみると自分で造りたくなるのよ。」
ビジュアル・映像メディア全盛の今の時代に、自分の手で立体造形物を造る機会は多くありませんが・・・それが、ファッション・彫刻・建築etcに関わる事で、メディアやバーチャルリアリティーでは無く「forme:フォルム(立体)」や「real:リアル(存在)なモノ」を造る楽しさを感じて欲しいと思います。ここが、スタートラインです。

校長が学生の前で・・・「山田さん、立体に触り続けて何年?」・・・「30年です。」・・・「今でも楽しい?」・・・「はい!」