デザイン=勘所

昨日に引き続き、ファッション専門学校のプレゼン週間のレポート・感想です。

今日は、
1年生のベーシックデザイン(デザイン基礎演習)とデザイン画の基礎
2年生のブランドイメージと独自のデザイン提案
3年生のトータルなブランドイメージの構築
衣服の製作の前段階として、どんな衣服をイメージし、構想・構築し、製作へと橋渡しするか・・・・そのステージを扱った授業・プレゼンテーションに対する講評会でした。

ものつくり・・・というと、手作業・作りこみ・緻密さ・丁寧さ・・・・実際に物が作られる現場、そんな部分がイメージしやすいでしょう。しかし、その前段として、何故それを作り、それにはどんな思いが込められ、何を大切に、どのようなシステムで作っていくか・・・・
企画=デザイン・・・この重要性を正しく理解するのはむづかしいかもしれません。
我々、建築家の仕事はこれが大部分です。(・・・だから、社会的に認知・理解されにくい仕事なのかもしれません。)
我々が介在しなくても、優秀な職人がいれば、デザイナー不在でも、住める家は作られます。
同じように、デザイナーが介在しなくても、用が足りる服は作ることができます。


では、衣服が作られる過程で、あってもなくても構わない「デザイン」というステージが存在する理由は・・・・?
答えは唯一つ。素敵な物が出来るからです!!
素敵な物が出来る事を予感させ、期待させ、その期待に答えることです。

その為には、必要な「爪」を磨くしかありません。(私がファッションという異分野でデザインを教えている理由・・・「爪」を磨いています。)
デザイン画が上手になって、人の記憶に残る言葉を発して、アートや社会のムーブメントを理解し、社会とデザインの接点を正しく分析しながら、コンセプトを導き出し、衣服の製作過程・ディテールに思いを反映させて・・・・、相手にちゃんと話しを聞いてもらえるプレゼンテーションの態度や印象も大切です。
自分のデザインを、自分の言葉と表現手段で、魅力的に伝える事!!

生半可な思い付きでは、デザインを貫き通して、物を作り上げることは出来ません。
「必要なのは、バイタリティー!!・・・意識すべきは勘所!!」・・・・どんな熱意で、どこを落とすの?

今日のプレゼンで目をひいたのは、ツモリチサトのブランドに対する2年生のプレゼン。イメージマップ・デザインの提案、共に「勘所」をおさえていました。
講師Aさんが、言いました・・・エネルギーを持って伝える!
講師Nさんも、言いました・・・誰に何を伝えるの?