----------  デザイナーの資質


ファッション学校・・・今日は、ファッション画を中心にしたアパレルデザインの講評会でした。
その中で、感じたことがありました。デザイン・デザイナーにとって一番大切なのはなんでしょう?それは、「センス」「クレバー」「ウイット・洒落」「粘り強さ」・・・勿論全て必要な要素ですが・・・・学校で教えながら、建築の仕事を通して・・・・大切なのは「明るさ・楽しさ」だとあらためて感じました。

今日の講評会に何点ものデザイン画が出されました。その中で、私の目をひいたのは、はつらつとした楽しさと明るさがあるデザイン画でした。その講評をした瞬間!校長も全く同じ意見を・・・。つい先日発表された、全国デザイン画コンクールの入選作品30点程を示しながら、「皆、達者です。しかし、この暗さやニヒルさが時代の雰囲気なんですか?私は明るさが欲しい・・・。ヨーロッパやアジアの学生達のデザインは、もっと希望に溢れていますよ。」

自分の新しい家、新しいお店・オフィス、インテリアの改装・・・我々に仕事を頼まれる方達は、そこで暮らす事に夢を持ち、とても楽しみにしています。衣服も同じく、新しい服に袖を通し街に出ることは、とても楽しいことです。
その楽しい物・空間・体験を演出するデザイナーが、明るさや楽しさを表現しなくて何を伝えられるのでしょう?
人に夢を与える事の出来る機会を与えられたデザイナーという幸せな仕事をしているのですから、明るく・楽しく・幸せな気持ちで、物事をデザインし、幸せな気持ちをクライアントと共有するのは、とても大切な事です。・・・これは、デザイナーという職業に携わる人が持たねばならない、最低限の、しかし一番大切な資質だと思います。


私は、思春期と呼ばれる高校生の頃は、その世代の例に漏れず、「ネクラ」と呼ばれ、世の中を斜めに見ながら不機嫌な時期を過ごしました。大学に入って美大で建築を学び始めて、高校時代の女友達に会った時「山田君、明るく、カッコ良くなったね。」と言われました。好きな勉強をしているのですから当然です。そして、素直に嬉しかった。
今朝、学校の近くのコンビにで買い物をして、横断歩道ですれ違ったファッション学校の学生が、屈託のない素敵な笑顔をしてくれました・・・・とても嬉しかった。勿論、自分の笑い方です。デザイナーに営業スマイルのマニュアルやお笑い芸人のようなオチャラケは必要ありません。私が今までお会いした建築家・デザイナー達、みな個性的で自分の仕事に厳しい人たちです。しかし、彼らに共通するのは、チャーミングな笑顔でした。楽しい気持ちを素直に表現すること・・・・デザインの仕事をする上で、とても大切な事だと思います。

私自身も、ものをつくる楽しさ、夢をお手伝いできる楽しさに素直でいたいと、改めて思いました。