江戸時代からのゴミ置場

山田建築設計室は、松本城下のはずれ、下下町と呼ばれた江戸時代の武家地の一角にあります。
事務所の直ぐ近くには、「両下衛生部防火部器具置場」という、ゴミ置場と防災器具置場があります。近年になって、町内会がこの場所を確保してゴミ置場にしたのだろう・・・と思っていたのですが、これが江戸時代からの町内共有の場所だと知りました。

松本市の春のイベント「工芸の五月」で、市内の建築家が案内する「みずめぐりタイムトラベル」ツアー、にお付き合いして今年で5回目になります。毎年、案内に先駆けて、松本城学芸員の後藤先生から昔の町の事を教えて頂きますが、今日は享保13年(1728年)の武家地の古地図を見ながらレクチャーを受けました。その古地図を見ていてビックリ!・・・事務所の前のゴミ置場は、300年前から「両下衛生部防火部器具置場」でした。
水色が現在の道と山田建築設計室の敷地です。「下町」と書かれている通りは昔のまま。その一角に、今のゴミ置場と同じ場所、同じ形に、黄色く塗られた公共用地を示す敷地が囲われ、その中に辻井戸(公共の井戸)の印が描かれています。現在の「両下衛生部防火部器具置場」は、300年前から、町内の公共用地だった事を始めて知りました。恐るべし歴史の町。