建て替え計画

東西に長い敷地に、築40年の38坪の平屋住宅。3尺の中廊下の北側に、幅1間の水回り、廊下の南側には2間の居室と3尺の縁側。さて・・・耐震補強をしながら、全館リフォームすべきか?建て替えるべきか?・・・内装は真壁だったので、30分程家の中を歩き回って平面図に柱を落とした図面をつくり、その場で全館リフォームの可能性を検討しました。出来るだけ間仕切りの少ない伸び伸びした計画にしたいのですが、柱が多すぎて無理です。基礎と小屋組に手を加えずに耐震・断熱・内外壁に手を加えると、坪あたり40万円の費用がかかります。基礎や小屋組に手を加えると、新築並みの費用がかかります。必要な部屋構成をお聞きすると、30坪程度の住宅で何とかなりそうでしたので、建て替えを決断しました。

建て替え計画を検討すると、建物構成・構造の考え方・断面の計画は、現在の家と全く違うのですが、平面形は現在建っている家の間取りに似ています。広い敷地では無いので、長年、暮らしているうちに、その敷地の中で一番気持ちの良い場所を探して住んでいたのでしょう。そこに、長年暮らした人が、その敷地での一番気持ち良い暮らし方を知っている筈です。いつもは、敷地の中でのゾーニングを幾つか検討してみるのですが、今回は、迷わず現在の家のゾーニングに従う事にしました。
建て替える前とは全く違う家になりますが、どことなく今の家と同じ安心感と懐かしさを感じる家になるでしょう。