家

昨日、1月末にオープンハウスをさせていただいた「本蔵の家」に庭木を植える・・・という事で、2カ月ぶりにお伺いして来ました。やはり、庭が整うと家らしくなり、お施主さんも嬉しそうです。

「中でお茶でもどうぞ・・・」と家の中に招いて頂きました。家の中は、オープンハウスの時とは全く変わって、設計の最中に何度もお伺いした、建て替える前の「家」そのままの雰囲気になっていました。
「前の家と何も変わりませんね・・・」とお話したら、
「何も変わらないけど、とても快適ですよ。ありがとう。」と言って頂きました。



来週、この家が、ある住宅雑誌の取材を受けます。
「建築家の設計したこだわりの家、という事?」とお施主さんが尋ねたので、
「施主の夢をかなえた家、という企画らしいですよ。」とお答えしました。
「私の夢は、古本屋と古道具屋に住んでいるような家・・・って言えばよいかな」と、建築家の設計したお洒落な家・・・を想像しているのかもしれない編集者の驚く顔を想像しながら、悪戯っぽく笑っていました。


「家は住まい手の物です」と言いながら、デザイナーの悪い癖で、勝手なデザインをしてしまう事もあります。しかし、住宅を設計する上で建築家がするべき事は、スタイリッシュな家を設計する事でも、お洒落なデザインをする事でもない、「普段の(不断の)生活」を包むシェルター=「家」をつくる事です。

建て替える前と、何も変わらない「家」の雰囲気に触れて、良い仕事が出来たかな・・・と、嬉しくなりました。