-----8時55分の自転車


春になり、新学期が始まりました。私の事務所にも、来週から、新人スタッフがやってきます。新しい季節がやってくると、新鮮な気持ちになります。

ところで、毎年、この時期になると怖い物が二つあります。ひとつは杉花粉症で、かれこれ30年来の付き合いですが、2月の終わりから、5月の半ばまでは、頭がモウロウとしています。先日、子供たちと、安曇野ちひろ美術館に遊びに行った時には、まるで加藤茶のコントの様に、「ヘッ.クション!」の連発でした。30年付き合って分かった事は、なるべく、外に出ないか・・・出かけるときは、どんな薬も、マスクも役にたたないので、なるがままに任せること。
季節が変わるのを待つしかありません。

もう一つ春になると怖いのが、「8時55分の自転車」です。
私の事務所は、信州大学のすぐ近くなのですが、自動車で事務所に行く途中・・・路地から、歩道から、斜め横断、脇見運転、信号無視・・・・・突然、いたるところから自転車が車道に突っ込んできます。9時の授業開始に急ぐ、信州大学の学生さんの自転車なのですが、彼らの自転車にはブレーキがありません。それも半端な数ではなく、交差点付近では、視界に入るだけで10台、横にも後ろにも・・・・気がつくと20台余りの自転車に囲まれています。
たとえ、停止している自動車に自転車が衝突しても、自動車が車道にいてエンジンが掛っていれば、道路交通法では、一方的に自動車の過失になりますから、自転車がぶつかって来ない事を祈るしかありません。実際に、自転車に突っ込まれて、自転車に乗っていた人が怪我をした為に、大変な思いをした友人がいます。交差点で左折時、横断歩道の手前で止まっているときに、横断歩道を外れた自転車が横からぶつかってきて、「前方不注意??」で100%の過失になってしまったのには、事故処理に立ち会った警官もかける言葉がなかったようです。軽い怪我だったのが不幸中の幸いでしたが、ぶつかられた上に、自動車の修理は自分もち・・・・・泣くに泣けない様子でした。
今朝も、歩道から車道に飛び出してきた自転車を引っ掛けそうになり、手に汗を握りました。どんなに気をつけても、自分のまわりを囲む20台余りの「8時55分の自転車」の動きは、予測不可能ですから、8時55分を避けるか自転車が通らない道を選ぶしかありません。もし、「8時55分の自転車」に遭遇してしまったら、なるがままに任せて祈るか、あるいは、エンジンを切って路肩に自動車を停めましょう。

しかし、「8時55分の自転車」も、杉花粉症と同じく、ゴールデンウィークが終わるころには、パタッと静かになります。やはり、今の学生諸君も(私にも覚えがありますが)連休明けになると、授業に行かなくなるのでしょうか?
こちらも、季節が過ぎるのを待つしかありません。