-------  色の黒いは七難隠す?


「色の白いは七難隠す」・・・・肌の白い女性は、多少の難があってもそれだけで十分に美しいという意味ですが、建築にこの言葉は当てはまりません。白い色は、陰影がはっきりとして、フォルムの出来不出来や、施工の粗が如実に現れるので、ごまかしが利かない色づかいです。

我々は設計の初期に、真白な模型を作製してチェックしますが、白い模型は、形のバランスの良し悪しが一目瞭然なので、基本的なデザインをチェックするのに最適です。


ところで、ガングロであったり、美白であったり、肌の色にも流行がありますが、建築・インテリアの色づかいにも流行りすたりがあり、5年ほど前は、アルミやナチュラルな木の淡い色づかいが流行っていました。しかし、ここ何年かは、ウォールナットやダークブラウンに染色した木のインテリアが大流行しています。この色づかいが流行するときは、不況だったり、世情が不安定な状況だ、という説もありますが・・・。もともと、松本市では、蔵造りの建物や、民芸家具の影響もあって、昔から、古色に染めた木と漆喰の組み合わせが多く見受けられるのですが、松本市内で先日見学した、建築家の設計した住宅も、今流行の色づかいでした。
かくいう私も、近頃、お施主さんからの要望もあり、ショップの内装・ホテルの内装・住宅にと、ダークブラウンとオフホワイトの組み合わせを多用しています。

ダークブラウンを基調にしたインテリアは、落ち着きがあるのは勿論、シックでおしゃれで建物全体が引き締まった印象があります。特に、無垢の木に浸透性の塗装で染めたダークブラウンは、深みがあって飽きない色あいが魅力です。
「色の黒いは七難隠す?」・・・シックな印象が強く、陰影もぼける為、多少のデザインの下手や、施工の粗も、目立たなくなります?
(だからと言って、デザインの手抜きをしている訳ではありませんが・・・・・。)




今週末、上田市に完成見学のオープンハウスを行いますが、この建物も、古色に染めた木と漆喰壁でデザインしました。

上手に七難を隠した建築になっているでしょうか?・・・・
お近くでお時間のある方は、是非ご覧にいらして下さい。