----------  建築基準法・・・構造規定見直し

blog/1o1h=101時間に一回というブログですが、1月22日にして、今年初めての書き込みです。最初のネタは、おめでたいネタをと思っていたのですが・・・・・正月気分はとっくに終わっています。


現在、650坪ほどの建物を設計していますが、姉歯事件で建築基準法の構造規定が見直しになった昨年6月以降、始めての大規模建築の設計です。構造適合判定に廻るだろうと予想して予定を組んであったので、スケジュール上は大きな問題はありませんが、設計する建物構造に、今までの勘が通用せず、構造の部材が今までの1割から2割増しになって、大変とまどっています。

今回も、いつも一緒に設計している構造設計者と仕事をしているのですが、いままでと同じ設計者が
「それは、構造規定の見直しで出来なくなりました。」
「その考え方では、建築基準法がクリアできません。」
という会話に終止して、何とも歯切れがよくありません。もっと合理的な物の考え方が出来る構造技術者だったのですが、建築基準法に手足を縛られているようです。(本人が一番悔しがっていました。)

従来は、建物が壊れずに安全な構造か?壊れないように丈夫にするにはどのように考えて設計すべきか?を構造設計者をパートナーにして、議論を交わしながら設計してきました。しかし、建築基準法の構造規定が見直し以降、工学的・物理的に構造が成り立つか?では無く、建築基準法に抵触しないか?で建物が決まっていきます。建築以外の分野では、自由裁量・規制緩和が進んでいますが、建築基準に関しては、がんじがらめの規制になってしまいました。

あなた方、建築技術者は信頼できないから、黙って基準法の規定どうりの設計をしなさい!と言われているようです。
元はといえば、姉歯事件を起こす様な体質をつくってしまった建築・建設業界が悪いのですが、これでは、デザインが優れた、経済的な設計など不可能です。別に、奇をてらったアクロバティックな設計をしたいのではありません。合理的な考えで設計したいと思っているのですが、建築基準法の構造規定が、それを許さず、随分と不合理な設計になってしまいそうです。

建築設計者が法律の規定に縛られるだけでなく、より合理的な考えで設計できる環境が出来るように、姉歯以来、地に落ちてしまった技術者の信頼を取り戻していくしかないのでしょう。