---------------  住宅設計はパーソナルなもの


私の、事務所は住宅の設計を主にしながら、店舗・ホテルの内装や、オフィス・店舗ビルの設計もしています。
春には個人事務所を会社組織に改変し、より良い形で社会的な責任を負うように考えてきました。大きな建物では、多くの設計者がチームを組んで、組織として設計しなければ成り立ちません。一方で、住宅はパーソナルな建物ですから、山田建築設計室という組織でありながらも、クライアントのご家族と私の一対一の関係が大切です。お陰様で、今年は多くの方の住宅を設計させて頂いています。その中で、お施主さんに満足いただけるような仕事の質を保つ為には、私個人が個々の建物に対してモチベーションを保たねばなりませんが、物理的にこなせる仕事の量に限界を感じてきました。

先日、前々からご相談いただいていた、Dさんから、具体的に設計を進めたいとのお話がありました。勿論、喜んで設計させていただきます。しかし、これで私のキャパシティーがテンパッテ(聴牌って)しまったように感じています。(現在、住宅10件が同時進行しています。)

こんな勝手なことを言えるのも、私に仕事を依頼して下さる方のおかげだと感謝しております。しかしながら、私の能力にも限界がありますから勝手ながらも・・・・・・より良い仕事・設計・建物の為に少しだけ時間の余裕を与えてください。
重ね重ね勝手ながらも、新たにご相談くださる方も、時間の余裕をみてご相談くださると幸いです。

どんなに、山田建築設計室という組織を充実させようとも、クライアントと私の関係は、組織では補てんすることが出来ません。スタッフが10人居ようと、20人居ようと、私は一人です。それがアトリエ事務所の宿命です。特に、住宅設計とは、クライアントと建築家の一対一のパーソナルな関係で、この関係で住宅の設計をする建築家を、特に「住宅作家」と呼びます。

「住宅作家」という言葉から真っ先に思い浮かべる建築家は、宮脇檀さんです。宮脇さん無くしては、「住宅作家」という言葉は無かったかもしれません。多くの優れた住宅作品を残し早くしてなくなりましたが、最後までパーソナルな住宅設計にとことん取り組んだ孤高の建築家でした。