---------------  まちづくり・地方中核都市の問題


先日、修業時代に働いていた事務所の後輩で、東京大学で都市工学を教えている前田君から連絡が・・・・「教え子に松本市出身の大学院生がいて、地方中核都市のまちづくりをテーマに、松本市のまちづくりに関して論文を書きたいのだが、相談に乗ってあげてください。」との事で、その大学院生が、事務所を訪ねて来ました。


それなりに下調べもしてあり、サイトウキネンフェスティバル・クラフトフェア・市民芸術館の演劇・美術館のワークショップ・ショートショートフィルムフェスティバル・山岳都市・旧第一勧銀・中町・縄手・中央西再開発・源池の井戸周辺・松本市・商工会議所・商店街連盟・信州大学松本大学建築士会・・etcについての質問に答え、それらを補足しながら、私が知っている範囲で、それらの内容や活動・お互いの連携、インタビューすべきキーマンなどを紹介しました。

最後に「松本のまちづくりのテーマや問題点をどう考えていますか?」と問われたので、私は、「行政や大学・各施設・市民団体・其々が、それなりに、まちの将来を考え、活発な活動をしているのだが、松本市の街をまとめていくテーマが無い。生活人口20万人で、100万人規模の2次商圏を持つ街である松本市は、近江八幡や有田や奈良井宿の様に、歴史や文化に沿った一つのテーマで、街全体のまちづくりをまとめていけるような規模の街ではない。かといって、横浜や博多や京都のように、街の一部のエリア(港・倉庫街・寺町)を歴史・文化拠点として特化し、そこに全国的な求心力のある魅力をつくることがまちづくり・・・ではないだろう。地方都市の中核として、経済・歴史・文化・観光・行政サービスを融合させたまちづくり目指さなければならない。小さいようで大きい・大きいようで小さい・・・・都市の色々な問題が複雑に集積している。これを、どの様にまとめ上げていくのかがワカラナイ。しかし、それが上手くいけば、コンパクトシティーとして、とても魅力のある街になるに違いない。」と答えました。
確かに、この問題にどう取り組むべきなのかはワカリマセン。尤も、この地方中核都市の問題を総合的に捉えて解決していく熱意と自信があったら、市長に立候補しています・・・・。それはさておき、どんな修士論文ができあがるのでしょう?



奇しくも、私もこの4月から、長野県建築士会の松本筑摩のまちづくり関係を担当する、松筑支部の社会貢献委員会・委員長に任ぜられ、まちづくりの一端を担う立場を仰せつかりました。修士論文の相談に乗りながらも、自分の問題として考えていかなければなりません。しかし、とりあえずは、自分の切り口で、肩の力を抜いて出来ることをするしかありません。さて、どんな切り口で取り組みましょうか?