------------------  首相入場 全員起立!


映画の1コマかと目を疑った。しかし、それが現実である事に背筋が寒くなった。閣議前の談話室、首相が入場すると閣僚全員が背筋を伸ばして起立するシーンがニュースの映像に流れた。政権党の幹事長曰く「閣僚は首相に忠誠心を誓え!」一方の閣僚達は「閣僚が首相に忠誠を誓うのは当然の事。」

閣僚の誰一人としてきちんと反論しない。「閣僚が忠誠を誓うのは、国民と日本・アジア・世界の将来で、首相に忠誠を誓うのではない。」こんな事がわからない人たちが、日本の国を動かしているのだと思うと悲しくなる。閣僚が首相に敬意を払うのは当たり前としても、「忠誠」という言葉を軽々しく語るべきではないだろう。
教育基本法改正に始まり、憲法改正論議。これからの日本が国旗や国歌に忠誠を誓う国になろうというのなら、統制のとれた全体主義を「美しい国」と呼ぶのなら、そんな国には住みたくない。美しくなくて結構、まだら模様で構わないから、確立した個の集合体・自由な国に住みたい。アジアのほかの国が、今の日本に戦前の日本を重ね合わせて危惧するのは当然で、中国・インド・韓国・フィリピンetc、これから伸びていくアジアの国々に相手にされなくなるのも、時間の問題かもしれない。(既に、彼らの眼中に日本は無いのかもしれない。)

不二家の過ちがどこにあるか・・・ペコちゃんに盲目の忠誠を誓い、消費者や社会を疎んじた結果で、内部に会社の間違いに異を唱える体質がなくなったからなのは明白だ。私の会社のスタッフが、私に忠誠を誓うなど考えただけでも気持ち悪い。設計事務所のスタッフが忠誠を誓うべきは、お施主さんと社会と自分のプロフェッションで、私に意見があればいつでも言って欲しいと思っている。それが出来なくなったら私の設計事務所は終わりだと思っている。日本の政府(閣僚)が、首相の間違いに異を唱えられ無くなったら、日本も終わりだろう。