------------------  長野県建築文化賞・受賞


私事ですが(日記だから当たり前か)、先日発表になった第8回長野県建築文化賞で、住宅部門の優秀賞を受賞しました。
受賞した「屋根の連なる家」は、田園風景に切妻の屋根が連なる平屋の家です。この家を考える上で最も大切にしたのは「当たり前である事」でした。田園風景のロケーションでの平屋の佇まい。庭を大きく確保できる恵まれた敷地での、インテリアとエクステリアの応答。のどかな環境の中で、自然素材を取り入れながらつくる事。周囲の環境や、お施主さんの建物に対する気持ちに対して素直になって考えました。

先端的であることや奇抜な事ばかりが持ち上げられる風潮の中で、ローカルな建築賞であれ(ローカルな建築賞であればこそ)審査員の元倉真琴・古谷誠章・出澤潔の各先生が「当たり前の建築」を評価して下さった事をとても嬉しく思います。審査講評はまだ発表になっていませんが、広く活躍されている建築家からどんな講評を頂けるのか・・・今後の設計に活かしていきたいと思います。

最初は、建築に対して頑固なまでの「思い入れ」を持っていたお施主さんも、打ち合わせを重ねる度に肩の力が抜けて「素直な建築」を一緒になって考えて下さいました。十分な設計期間を経て、お施主さんと我々が良い形でイメージを共有することが出来た結果が、今回の受賞だと思います。

言うまでも無く、建築はお施主さんと建築家だけでは出来ません。それを、確かな技で支えてくださった、工務店の方や大工さん・左官屋さん・塗装屋さん・他にも大勢の職人さんに世話になりました。のびのびとした庭を整えてくれた植木屋さんにも感謝しています。

この受賞を励みに、これからも、当たり前の事に素直になりながら建築を考えていきたいと思います。