------------------  木曽路


今日は、家族サービスのドライブで木曽路の寝覚ノ床・奈良井宿へ出かけました。
寝覚ノ床は、木曽川の緩い流れの中に、テーブル状の白い巨石が独特な景観をつくっています。浦島太郎が長い眠りから覚めた場所なので、寝覚というのだそうで、深緑の水と白い巨石の不思議な風景がそんな話を納得させます。
国道脇の駐車場から川までおりてみました。中央西線の線路をくぐりながら、200mほど下の川まで下りて、いくつもの石を乗り越えながら、巨石のひとつで記念写真、涼しげな夏のワンショットです。

しかし、遠くから眺めていた時は、冷たそうな深緑の美しい水で泳いだら気持ちよさそうなどと思っていましたが、近くで見たら流れが緩い淵で汚い感じで少し残念。水着を着たカップルも、水の汚れを見て川に入るのを躊躇していました。

奈良井宿は、「伝統的建造物群保存地区」に指定され、江戸時代の宿場町がそのままの形で残っています。妻籠・馬込よりも、観光地化されていないとのことですが、お盆の最終日は多くの観光客で賑わっていました。

ここでは、オートバイの旅の雑誌の撮影に行き会いました。若い女性が古い宿場町の建物の前でバイクの傍らに立つ、というお決まりの構図ですが、雑誌のグラビアで見るナチュラルな雰囲気と実際の撮影現場の違いにビックリしました。モデルさんは、ナチュラルとは程遠い、絵の具のパレットのように厚塗りされた見事な撮影用メイクでした。寝覚ノ床の美しさは、水がきれいか汚いかではなく、少し遠くから眺める白い石舞台とエメラルドグリーンの対比の美しさです。一方のオートバイ旅の情報誌のグラビアも、モデルの美しさではなく、古い町の佇まいと、オートバイとモデルの組み合わせで、オートバイのカラーリングに負けないモデルのメイクも要素のひとつなのだと納得してしました。

ここ奈良井宿が、「伝統的建築物」ではなく、「伝統的建造物群」というのも同じことでしょうか。個々の建物は、建築物と呼べる価値のあるものではないのですが、名も無い建造物が群となって、全体として美しい街並みになっています。ここに住み、町の佇まいを今に残す住民の方たちのエネルギーに敬服します。