フォノカートリッジ

年末年始、CDレンタルショップを覗いても、聞いてみたいと思うCDもなく、久しぶりに300枚ほどあるLPレコードを引っ張りだして、針を落としてみましたが・・・音トビはするし酷い音・・・虫眼鏡でレコード針の先をみたら、ボロボロです。
十年以上前に買い置きしてあった替えの針に交換したところ、見違えるような音になる筈ですが・・・何年か前に買い換えたアンプ(pioneer FILL X-NT9MD・・・ピュアオーディオではなくハイコンポです)には、MM型カートリッジ対応のPHONO端子しかなく、出力の弱いMC型カートリッジを直接接続しているので、かなりボリュームを上げなければ聴けません。従って・・・それなりのノイズで抜けも悪く、あまり良い音とは言えません。
手持ちのMM型(オーディオテックニカなので正確にはVM型)のカートリッジに付け替えてみました。しかし、今度はノイズこそないものの、高音が伸びず低音に量感がない、AMラジオのように中域周波数の音だけが聞こえる奥行きの無い音で、これならばノイズと抜けの悪さを我慢しても、MC型のカートリッジを無理やりボリュームを上げて聴いているほうがマシです。

古い普及型とはいえ、音質の良いと言われているMC型のAT-30E(左)と、ローコストモデルのAT10G(右)では、やはり勝負になりません。ちなみに、ターンテーブルは、ビクターのQL-Y7・・・30年以上前のターンテーブルですが、動きも安定して全く問題ありません。

それにしても、せっかくのLPレコードと、そこそこのターンテーブル、スピーカーはJBL4312Mで抜けの良いクリアな音を出せる筈なので、少しはマシなMM型(VM型)カートリッジを・・・とネットで探してみました。アナログオーディオは、マニアな趣味の世界ですから、カートリッジの値段も、上は30万円以上!キリがありません。我が家は所詮ハイコンポですから・・・アンプとのバランスも考えて、一万円台と一応の予算を決めてみたところ、選択肢が少ないものの何種類かのフォノカートリッジが現行品で発売されています。その中から、コストパフォーマンスが良いと評判の、オーディオテクニカのAT7Vを手に入れました。

レコードに針を落として、ビックリ!・・・評判に違わず、高音から低音まで素晴らしい解像度とセパレーションです。

(私には)ベースのアルコ奏法がオーディオの音の良し悪しを聞き分け易いので、レイ・ブラウンのベースが素晴らしい「Easy Dose It」をかけてみたところ、ベースが倍音と共に豊かに響きます。豊かな低音と共にクリアな高音が再現されていないと、ベースの弓弾きは響きません。カタログ通りのワイドレンジです。ピアノの音の粒もハッキリして、ベースをはじく音の立ち上がりもシャープです。通の方には、ドンシャリと言われてしまうかも知れませんが?これだけクリアでフラットなら満足です。一万円台で、こんなに音にスピードと躍動感があって、高音の伸びがあるカートリッジを手に入れられるとは思っていませんでした。
AT7V・・・評判以上のコストパフォーマンスでした。


同じ音源をCDでも持っているので、比べてみたところ、レコードの方が遥かに素晴らしく、CDでは響かない音や息遣いまで聴き取ることが出来ます。オーディオマニアの方には笑われてしまいそうですが、ハイコンポ&コンパクトスピーカー&MM型(VM型)カートリッジの組み合わせでも、アナログレコードの豊かな音は魅力的です。・・・オーディオにそれ以上のクオリティーを求めるなら、まずは、家族に気兼ねしない専用のリスリングルームが必要ですね(笑)。自宅のリビングルームではこの程度で十分だと思うことにしています。それ以上の音を聴きたい時は、EONTAに行くことにします。
改めて、アナログレコードに魅せられてしまいました。これでしばらくは、古いLPレコードに嵌りそうです。