-------------  EONTA(エオンタ)


キース・ジャレットに続きJAZZネタ・・・。私のJAZZとの出会いは、松本のEONTAというJAZZ喫茶です。バブルの時代に東京の老舗JAZZ喫茶が、JAZZをBGMにしたお洒落なカフェバーへと姿を変えていく中、頑なに店のスタイルを変えず、常にその時代のJAZZを紹介してきました。今の時代のJAZZを聴ける数少ない店のひとつです。仕事がえり、いつもの自家製パンチェッタのカルボナーラと、バーボンのソーダ割りで、長居してきました。
今日店に流れていた・・・アミーナ・マイヤーズ、レスター・ボウイカーラ・ブレイ・・・帰りに店の階段を下りる時に流れた、デューク・エリントンのトリオのレコード・・・、どれも、この店で始めて接した演奏です。

もう25年も前の話、高校を卒業して、芸大を志し浪人生活を送っていた頃、建築写生の道具を抱えて、400円のフレンチコーヒーで、何時間もレコードを聴いていました。当時は、昼間からお店が開いていましたが、夕方までは、ほぼ貸しきり状態で、わがままを言いながら、色々な演奏を聴かせて貰いました。

JAZZのプレイヤー同士の緊張感・スリル・音楽の展開の中に「空間」を感じ、それが、建築の空間・間合いに通じるという感覚を覚えたのもこの店です。今でも、その感覚を大切にし、JAZZから感じる、間合い・空気感にインスパイアされながら建築を創っています。もし、松本にEONTAがなかったら・・・、ミュージシャンのサインで埋め尽くされた薄暗い階段を上らなかったら・・・、今の僕の仕事はなかったかもしれません。・・・・・カズキさん(マスター)有難う。