-----------  信州木造塾


先週末は、長野県建築士会の「信州木造塾」という勉強会に参加しました。第1回目の講座は、長野県林業総合センターの大掛かりな実験施設を使っての、木材の破壊実験でした。


私は、建築家協会と建築士会の2つの職能団体に所属しています。専業建築家を対象とした建築家協会は、建築設計の仕事に関わる仲間達の集まりで、情報交換や勉強会をしつつ互いの仕事の質の向上に努めていますが、建築家協会の長野県の会員は70名足らずの小所帯です。一方の建築士会は、建築士の資格団体で、メンバーは大工さん・工務店の方から設計者まで多岐に渡り会員数4000人の大きな組織です。この様な大掛かりな実験施設を使って勉強会が出来るのも、メンバーも多く豊富なスタッフに恵まれた建築士会ならではの活動です。




私は、独立前、東京の設計事務所に10年間勤務していましたが、木造住宅を設計したのは1件だけでした。おまけに、大学の建築教育・特に構造の授業では、殆どが鉄筋コンクリートや鉄骨造に関する教育で、木造について学ぶ機会はあまりありませんでした。
ところが、松本で独立して設計事務所を構えてからは、携わる殆どの仕事が木造住宅です。ほんの10年間の経験と勘で、木造の設計をしてきましたが、特に、木構造をインテリアに表現することを意識するようになってから、もっと木造を体系建てて、きちんと勉強しなおさなければいけないと感じ、今回の講座に参加しました。

今回の、木材の破壊実験は、頭では理解していた「木造構造にとって、柱や梁・単体の応力よりも、仕口の構成が大切である。」を、目の当たりに感じることが出来ました。講義では、建物の崩壊形を示しながら、耐力壁・床合成・梁の接合などについて合理的な説明をして下さり、これからの仕事にすぐにでも活かしていける実践的な講座で、とても勉強になりました。