------------------  新しい歴史教科書


新しい歴史教科書。採択・不採択?結論は持ち越しになったようです。

この手の話になると思い出すのは、小学校の高学年の頃です。私の担任は海軍兵学校あがりの先生でした。40代後半の背筋のシャンと伸びた厳格な先生でした。子供たちが横一列に並ばされて端からビンタされるなど毎日のことでした。今ではとても考えられない体罰です。

しかし、社会科の授業で忘れられない事があります。
先生曰く「僕は、当時の常識で、大東亜共栄圏を理想とし、お国の為に海軍兵学校に入り、呉の海軍兵学校で特攻を前にして終戦を向えた。そして終戦後、教師になった。今にして思えば「大東亜共栄圏」などは当時の為政者たちの言い訳で、君たちには世界の一員として自由な時代に生きて欲しい。2度とこんなことがあってはいけない!」

新しい歴史教科書では「大東亜戦争」が「植民地解放」として肯定的に扱われている様ですが、言語道断!
勿論、1970年代の教科書には「大東亜共栄圏」という言葉はありませんでした。しかし、海軍兵学校あがりの先生は、あえて教科書に無い「大東亜共栄圏」という言葉をあげながら、多くの仲間を失った自分のつらい経験からくる反戦の授業をしてくれました。

教科書も大切ですが、同じ教科書で同じ言葉を使っても、教師の教え方で如何様にでもなります。教師の大切さと、教えることの責任を考えさせられます。