------------------  模型街



ここは山田建築設計室アトリエ模型街。左から「Canoma(建設工事中)」「設計中」「グリットハウス」「設計中」です。模型のスケールは全て1/50です。
設計事務所によって、計画案や建物の構成を確認する方法はいろいろです。3次元のソリッドモデラーを使って確認する事務所。達者な手書きのスケッチで確認する人。我々の事務所では、ラフスケッチの後は1/50のスケールの模型を造りながら、設計を進めていきます。お施主さんとイメージの共有をするのはもちろんですが、それ以前に設計・デザインのチェックの為に模型をつくっています。
私の事務所のスタッフになる最低条件は、模型が上手で簡単なスケッチからでも立体的な模型がつくれること。私の事務所では、図面から模型をつくるのではなく、模型を見ながら図面を描きます。図面よりも先に模型が出来上がります。
たまたま幾つかの違うプロジェクトの模型が揃いました。お互いを比較して、空間の大きさ、スケール感をチェックしています。
また、模型のボリューム感から、かなり正確に建築工事費が想像出来ます。定量的な見積もりではなく「この建物が幾ら、こちらは幾ら、それならばこれは幾ら」という比較なのですが、当たらずとも遠からずで、数字の積み上げよりも現実をイメージできます。

ちょっと話がズレますが、本田宗一郎は、試作品を見て重量を聞くだけで販売予定価格を言い当てたとか・・。物事を定量的な積み重ねでは無く、全体の印象として捉えることは、「ものづくり」では大切な資質だと思います。