これも建築 

道端に、斬新なデザインのコンテナトラックを発見!

住宅の外壁材に、ガラスの大きな開口、側面には屋根型の模様がついています。

もしかして・・・反対側に廻ってビックリ!・・・天井と壁はプラスターボードが張られ、ガラスの大きな開口は住宅用のサッシュ、天井には照明取り付け用の穴に、壁にはコンセントの電線・・・住宅のユニットです!

すぐ近くで、現場の組み立て作業をしていました。

私の携わっている、現場作業を主とした建築の作り方とは、考え方自体が全く違います。我々の建築の概念には、間取りがあり柱梁があり、それに従って建物の開口や仕上げが作られていきます。
しかし、今日見かけたプレファブの考え方は全く違って、建物の構造体は住宅の間取りとは全く関係なく、2M×6M?のグリットで作られていて、トラックの荷台ピッタリの大きさのユニットで現場に運ばれて来ます。サッシュも内装も、設備の仕込みまで終わった状態で、現場でユニットを組み立てるだけです。ユニットの製作は、屋根のついた工場で作業をするのですから、日の短い冬でも、薄暗がりの中で作業する必要もありませんし、凍える手で仕事をする必要もありません。雨が降ろうが雪が降ろうが効率的な環境のなかでユニットを製作する事が出来ます。
現場での作業は、仕上げのフローリング貼りと壁天井のクロス貼り、キッチンやトイレと照明器具を取り付ければ完成です。

今日見たこの家は、私のプレファブ住宅に対する想像や概念を遥かに超えていました。ちなみに、建築系のハウスメーカーではなくて、自動車メーカー系の住宅でした。・・・トラックの荷台にピッタリサイズなのも納得です。我々建築畑とは、全く違った発想でなければできない建築の作り方です。これはこれで、とても合理的な工法です。侮るなかれプレファブ住宅!

このように、品質や性能がきちんと管理できるシステムで住宅を作れば、コストを落として品質の良い住宅を作る事が可能です。ある人が、「設計事務所に住宅の設計を依頼するのは、お金をドブに捨てるようなものだ・・・。」と言いましたが、こんなシステムで住宅が出来るのですから、かなりの部分で言い得ています。

では、我々一品生産の住宅設計・建築家の存在意義はどこにあるのでしょう?