------------------  給与所得控除


首相の諮問機関から、サラリーマン給与所得控除廃止へ向けての答申がありました。

私は、多様な雇用形態があったり終身雇用制が崩れつつある現在では、当然の動きだと思います。本来は、税の個人管理・申告の観点では、源泉徴収制度の廃止も同時にあるべきで、今回、源泉徴収制度の廃止を同時に答申しなかったのは、諮問機関の態度として矛盾すると思います。(こちらは税の取りこぼしにつながるので、なかなか実現しないでしょう。)
年金の一元化とともに、制度的にも国民総個人事業主に向かっていると感じます。


平成16年の年末調整の資料では、500万円の給与所得の人の給与所得控除額は約154万円です。個人事業主の私からすれば、体ひとつで会社に行って、交通費や住宅手当まで支給されているサラリーマンの給与所得控除額としては、過分に感じていました。
給料500万円のサラリーマンが会社の仕事の為に給料から154万円も使いますか?我々個人事業主は、事業所の家賃、コピーや紙・筆記具、打ち合わせに出かける交通費、などの経費を売り上げから控除できます。個人事業主は、タレント業でもない限り、ワイシャツやスーツ・靴などは、経費に計上できません。荒利500万円の個人事業主にとって、154万円の経費は大変な額です。
年末にスタッフの源泉徴収の年末調整の計算をしていると、「何故、人の税金の計算をしなければならないのか。自分で確定申告をするべきだ。」と疑問を感じます。スタッフ一人の事務所でさえわずらわしいのですから・・・。大勢の社員を抱える会社ではかなりの負担になっているはずです。かつて私もサラリーマンでしたが、会社に税金の計算までしてもらった上に、何もせずに多額の給与所得控除が得られるのですから「サラリーマンは気楽な稼業♪♪」だった事には違いありません。
今朝のニュースではアナウンサーが「サラリーマンいじめだと」批判的なコメントをしていました。アナウンサーもサラリーマンだったのでしょう。「サラリーマンいじめ」という気持ちもわからないではありません。「勝手に税金を天引きしておいて、経費も何もないのか!」源泉徴収制度はそのままに、給与所得控除の廃止だけを求めたのは片手落ちだと思います。「サラリーマンにがんばってもらわなければ」が委員長の発言とは思えません。
源泉徴収・給与所得控除は無し。サラリーマンも確定申告をして必要経費を控除し、税を納める。自分で税を申告して納めるのが本来の姿、それだけの事です。


ライブドアの美人広報部の人曰く。「ライブドアは、徹底的に会社経費を節約しています。ボールペンの一本も、社員の個人負担です。社員は個人で負担しなければならないので、ボールペンをどこかでもらってきたりしています。」
実態の上で国民総個人事業主は一部では既に始まっています。