毒を持って毒を制す


長野県では、今頃の季節になると、何処からか「青唐辛子」を頂戴します。・・・云わば、夏の風物詩。火であぶって醤油をかけたり、醤油漬けにして食べます。
夕飯の食卓に、「青唐辛子」が並びました。辛いものは、もの凄く辛いし、辛くないものは、程よい刺激が食欲をそそります。
用心深く、ひとかじりしましたが、思い切り当たりくじ(辛い)を食べてしまいました。

辛さには色々な辛さがあります。「わさび」や「からし」は、辛さの成分が空気と反応する、鼻に抜けるような揮発性の辛さ。唐辛子系は、味覚ではなく痛覚に訴える、刺すような痛い辛さ。
唐辛子・・・口の中が、痛い辛さです!



日本酒で流し込もうとしましたが、傷口をアルコールで洗う様なもの。アルコールが痛覚を刺激して、更に辛さを感じます。
こんな時は、御飯を掻きこむしかありませんが、食卓に「昆布山椒」があったので、一緒に食べました。
不思議です!!
先ほどまで、口の中に火が付いたように辛かったのですが、痛いような辛さが無くなりました。
もしかしたら、山椒で、痛覚神経が麻痺したのではないでしょうか?・・・山椒は、神経を麻痺させるタイプの辛さです。
唐辛子系の痛覚への刺激を、山椒の麻酔系(シビレ系)の辛さが和らげたのだと、勝手に解釈しました。


山椒を持って、唐辛子を制す?・・・料理は理科です。是非、お試しあれ!