------------------  センシティブ=旧第一勧銀松本ビル②

kangin



いよいよ、後がなくなりました。
先月末に、みずほ銀行から現建物の解体と跡地利用の具体案が示されました。積水ハウスによる高層マンション計画です。その提案を受け入れられない人たちが集まりました。みずほ銀行の資産ですから、どのように運用しようと勝手ですが、みずほ銀行積水ハウスへの売却を年末まで先延ばしにしたようです。
みずほ銀行は建物の保存活用の意思はないので、年末までに有志で2億5千万円を集めて土地建物を買い取ることが保存の第一歩、そして最後の手段になります。

保存した建物を、どの様に活用するかは未だ意見のまとまりようもありません。しかし、歴史資料としての価値がなくとも、設計者が高名でなくとも、70年の年月に耐え、愛され続けた美しい建物、それだけで価値があります。
今回の建物には、歴史資料として確固たる価値もお国のお墨付きもありません。歴史資料としての松本城開智学校の保存とは意味が違います。


なぜ旧第一勧銀松本ビルを残す必要が?と問われても私が答えられるのはこれだけです。
(このblogで以前にも触れました。)
歴史資料としての価値がなくとも、語られる物語がなくとも、経済行為として効率が悪くとも、建築として清楚で美しいだけで世に残るものがあってもいいと思います。何らかの機能を持って、人々に使われ続けて欲しい。
理屈や大義名分ではなく、文化財制度にすがるのでもありません。
松本城や開智学校、司法資料館とは保存活用の意義が違います。
私は「感性」と言う言葉で物事を片付けるのは大嫌いですが、あえて・・・。


今回の保存活用は松本市民の「感性」が問われています。